プロローグ

2010年5月14日(木) 18:30よりApple Store, GinzaにてMac OS X Server勉強会主催の第6回「Mac OS X Server Night!」が開催されました。

Apple Storeからのイベントのインフォメーションに続き、まず勉強会メンバーより「Mac OS X Server勉強会」(略称MOXSSG=Mac OS X Server Studuy Group)についての紹介がありました。MOXSSGはMac OS X Server管理者のスキルアップを目的とした活動をおこなっており、Apple Storeでのイベントの他に誰でも参加できる定例勉強会も開催されています。

次回の第24回定例勉強会は、2010年5月29日(土)に浦和コミュニティセンターで「Podcast Producer」をテーマにして開催されるとの案内がありました。

定例勉強会アーカイブ

ケーススタディ: iPhone/iPod touchを組織で活かすMac OS X Server
[イーサスステュディオ -- 大久保様]

今回のメインテーマは、iPhoneやiPod touchを組織において利用する場合の、サーバ運用やデバイス管理についてです。

まずMac OS X ServerでのiPhone向けサービスについての解説がおこなわれました。具体的にはMac OS X Serverで運用しているWeb、iCal、メール、アドレスブックサービスにiPhoneからもアクセスが可能であることが紹介されました。iCalではCalDAVプロトコルを利用してサーバ上でカレンダー情報を一元管理できますが、iPhoneからはカレンダー情報を閲覧できるだけで編集することはできません。Webサービスの機能の一部として利用できるWikiは、iPhoneのSafariからアクセスはできますが、こちらも閲覧ができるだけで編集はできません。

さらにMac OS X Serverが提供するモバイルアクセスサービスを利用すればVPNを用いずにセキュアにイントラネット内のサーバ(メール、iCal、アドレスブック、Wiki)にアクセスできます。モバイルアクセスサービスはSSLを利用してイントラネット内のサーバに、認証されたユーザのみアクセスを許可する仕組みであり、VPNと違いクライアントごとの接続設定が不要になります。具体的にはWebサーバのリバースプロキシーを利用しており、実際に運用するにはsplit DNSを使ってサーバのホスト名にインターネットからのアクセスとイントラネットからのアクセスで異なるIPアドレスを割り当てて利用します。「サーバ管理」でのモバイルアクセスサービスの設定画面や設定ファイルについての解説もありました。

次にiPhoen OSデバイス向けのApple純正管理ユーティリティ「iPhone 構成ユーティリティ」が紹介されました。このツールはAppleのWebサイトから単体でダウンロードできます。「iPhone 構成ユーティリティ」で作成した構成プロファイルを配布することによりiPhone OSデバイスの設定をおこなうことができます。具体的には次のものが設定可能です。

  • パスコード、Wi-Fi、CalDAV、VPN、Exchange ActiveSync、メール、Webクリップ、LDAP、SCEP

さらにカメラや画面キャプチャの利用制限も設定可能です。ただし課題もあり、現在はデバイスを1台づつ設定しなければいけないことや、無線LAN経由でのプッシュ配信には対応していません。最後にiPhone OS上で利用できるMac OS X Serverの管理ツールが紹介されました。

質疑応答コーナーでは、次のような質問がありました。

  • 「Q:複数のバージョンが混在しているiPhoneを管理するのはどうするのでしょうか?」
  • 「Q:iPhone構成ユーティリティで既存の設定を上書きするにはどうすればいいのでしょうか?」
iPhone構成ユーティリティ

ライトニング“テクニカル”トーク: 『Wiki Server 2 in Depth』
[MOXSSG-嶋田]

前回に引き続きグループ内でのコミュニケーションをサポートする「Wiki Server 2」についての解説です。Mac OS X ServerではWikiを構築できますが、画面上に表示されるユーザの名前の姓と名が反転するという問題があり、この問題の解決方法が紹介されました。

まず1つ目の方法として、Wikiが利用しているSQLiteのデータベースに格納されている名前のデータを書き換える方法があります。次に2つ目の方法として管理ツール上で名前を入力するさいに姓と名を逆に入力する方法があります。

ただしこれらの方法は正攻法とはいえず、3つ目の方法としてWikiのテーマをカスタマイズする方法が最後に紹介されました。Wikiのテーマのカスタマイズ方法についてはドキュメントが用意されており、JavaScriptと設定ファイルを編集することで姓と名の表示順を制御することができます。また名前の表示順だけでなくロゴを入れるなどのカスタマイズも可能であることが紹介されました。

Wiki Server Administration

ライトニング“テクニカル”トーク: 『Time Machine Editing』
[MOXSSG-田畑]

第2回目のMac OS X Server Night!でも紹介されたTime Machineについて、バックアップデータの管理方法が解説されました。まずは改めてMac OS X Server上で公開しているAFPの共有ポイントに、ネットワーク経由でクライアントのTime Machineバックアップがとれることが紹介されました。

第2回目のServer Night!では、会場からバックアップ先のディスクの空き容量を増やすにはどうすればよいのかという質問がありましたが、今回ようやくその回答が示されました。Time Machineでの復元を実行する際に、GUI上の操作でバックアップデータを削除することができます。削除には2つの方法があり、特定のファイルのバックアップデータを削除するやり方と、特定のタイミングでのバックアップデータをまるごと削除する方法が紹介されました。この方法はあまり知られていない方法のようですので、覚えておくとよいでしょう。

What's new about 10.6.3 [MOXSSG-田畑]

サーバ関連の最新ニュースについての紹介です。Mac OS X Server 10.6.3のアップデートがリリースされた後に、10.6.3に対応したサーバ管理ツールが単体でリリースされています。また、市販されているOSのパッケージも10.6.3にアップデートしたものになっていることが紹介されました。

認定トレーニング/認定試験紹介 [MOXSSG-田畑]

ワールドワイドに展開され、Macの管理スキルを客観的に証明することのできるアップル認定資格についての紹介です。資格には「サポートプロフェッショナル」「テクニカルコーディネータ」「システムアドミニストレータ」の3種類があり、それぞれ認定試験に合格することで取得することができます。試験は5科目ありどの資格を取得したいかで受験する試験が異なってきます。

資格を取得するには試験に合格すればよいだけですが、効率よく試験対策をおこなう方法としてアップル認定トレーニングについの紹介もありました。アップル認定トレーニングは現在Mac OS Xの管理者向けの「Support Essentials v10.5(3日間)」と、Mac OS X Serverの管理者向けの「Mac OS X Server Essentials v10.5(4日間)」が開催されています。トレーニングでは実機を使ってMac OS XやMac OS X Serverの管理方法を効率よく習得することができます。またアップル公認トレーニングセンターのダイワボウ情報システムではSnow Leoaprd Serverに対応したオリジナルコースも提供しています。

詳しい内容は受付サイトのこちら

今回も、アップルのサイトで公開されている認定試験のサンプル問題が紹介されました。サンプル問題はこちらで公開されています。

Q:Mac OS X Server v10.6のAFPサービスで「サーバ管理」を使って有効にできるネットワークブラウジングプロトコルは次のうちどれでしょうか?

A. NFS B. SLP C. Bonjour D. NetBIOS E. AppleTalk

今回は正解の方に、勉強会メンバー提供のアップルロゴ入キーホルダーが贈られました。

そしてサンプル問題の解説もおこなわれました。Mac OS X Serverのヘルプを検索するとAFP共有ポイントでBonjourによるブラウズを有効にする方法がみつかります。よってCのBonjourが正解となるところですが、実際にはこの設定項目はv10.5では存在していましたがv10.6の「サーバ管理」では画面上からは廃止されていることが解説されました。

エピローグ

最後にQ&Aのコーナーと次回予告がありました。次回は、WWDC期間中の6/10(木) 18:30~19:00に同じくApple Store, Ginzaの3Fシアターで開催されることがアナウンスされました。テーマはMac OS X Server勉強会で実際に運用しているMac OS X Serverを使用したサーバの構築事例になります。

またApple Store, Shibuyaでも開催され、こちらは次回5/23(日) 19:00~20:00となっています。こちらでは最新のXsanについての解説やActive Storage ActiveRAID, InnerPoolの紹介が予定されています。

そしてイベント終了後も、会場のあちらこちらで来場者とMac OS X Server勉強会メンバーによる熱い議論が繰り広げられました。